2016/02/22

『アルテリ』創刊号


“熊本には、石牟礼道子、伊藤比呂美、坂口恭平という
生命にみちたことばの発信者たちがいます。
彼らもこのささやかな文芸誌に手を差し伸べてくれました。
彼らが喚起する世界を受け継いでゆくことが出来る雑誌にしていきたいと思っています。”

-『アルテリ』編集人

熊本から、気骨のある文芸誌『アルテリ』が届きました。
熊本在住の思想史家・評論家である渡辺京二さんの言葉をきっかけに集まったのは、詩人、作家、疫学者、花人、個人店主、パート、小説家と、幅広い肩書の今を生きるひとびと―——それぞれが同じ紙の上で声を発しています。ボクがまず読んだのは本誌の編集長であり、「オレンジ」と「橙書店」店主の田尻久子さんによる“弱者の文学”。声高でなくとも力強い、とても良い文章でした。

記事のあいだにはさまれた、1ページ広告もさりげなく存在していて(当たり前に、いる感じ)好ましいです。
お金は必要だけれど、なによりも大事なのはハートである。そう自然に思わせてくれる媒体は多くありません。だから自分の店で、この『アルテリ』を扱えて嬉しく思います。販売価格は972円(税込)。サイズは小さいけれどずっしりした内容で、ボディ・ブローのようにじわじわと効いてくるんじゃないかと思います。

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『アルテリ』  定価 900円+税
A5版 全136P オールカラー


「熊本から雑誌を出そう。」
渡辺京二さんの一言で、熊本にゆかりのある作家や、文学を衰退させたくないという
思いを持つ者たちが集まり、雑誌『アルテリ』をつくりました。
「アルテリ」とは、「職人の自主的な共同組織」を意味する言葉。
何にも縛られない、自由な書き手のささやかな発信の場でありたいとの気持ちを込めて。
これまで数々の雑誌を手掛けてきた渡辺京二さんにとって、
もしかすると最後の雑誌になるかもしれません。
その思いを末永く受け継ぎ、文学の衰退に少しでも抗っていきたい、
そう願ってはじめました。



<アルテリ編集室>

熊本市中央区新市街6-22 橙書店内
tel/fax 096-355-1276(橙書店・orange)
http://www.zakkacafe-orange.com/blog/


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