2012/08/26

“ヒマラヤ”を語る。


上野郁代 展 「ヒマラヤ」 
2012年8月23日(木)~9月3日(月)

「ヒマラヤ」について

私は山が好きだということ。
あのとき見た雪山はきれいだったよ、と私は思っているということ。
理由はそれだけ、意味はもたない山の絵画をつくろうと思いました。

実物の雪山がもつ美しさや強さは、絵にすれば失われてしまいます。
残るのは山という役割のある絵具の層、私の感覚にそって固められた絵具の色と形だけです。
それはなんだか、描くことに固執してるのかしてないのか、よくわからないが潔いことだと感じました。

描く理由や絵画の仕組み・成り立ちを簡単にとらえたいという気持ち。
作品から鑑賞者へ伝わるもの、伝わらないもののことについて考えると、
誰に対しても、平等な態度の作品が良い。それは作者にとっても。
能天気な作品を生み出したいのかもしれません。
とにかく、私は山が好きだ、好きだ、ということ。

山を絵にするなら、名前はヒマラヤにしようと決めました。
アルプスやエベレストよりも、王様らしく優しそうかなと思ったので。

                           (上野郁代)

■作家プロフィール
1990年石川県生まれ
現在、筑波大学芸術専門学群洋画専攻4年次に在籍。
卒業後は剥製師の道へ

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