2012/04/08

BOOKWORMを終えて。



"BOOKWORM"を終えて。
PEOPLEの植田浩平、Peacenicのtoto、MAMEBOOKSの峰尾亮平があの日のことを綴りました。
それぞれの視点で振りかえる、四月一日。言葉と過ごした数時間。
さて、次はどこでだれと会えるのだろう。そう考えると楽しくなります。
みなさん。必ずまた、どこかで、遊びましょう。


動画は野田昌志氏による作品です。


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ああ、とにかく楽しかった。
あたらしい遊び方を見つけた気分なんだ。
その遊び相手は言葉だ。もの思う人で、声を出す人だ。
目の前にいる人が手と心を震わせながら、はなつ声に、まったくボクは参ってしまったんだ。

なんなんだろう! どうしてこんなに嬉しいの!

あいつもこいつも。あのひとも。
みんな堂々としてさ、立派だったよ。そこに嘘はひとつもなかった。
フィクションや脚色はあっても構わないよ。それぞれの声を通していれば、それでいい。
声と言葉。頭と身体。その二つは別々のものじゃない。
絡み合って高め合って、ドクドクと鼓動をつづける生き物なんだ。

みんな生きてる。あの数時間、それを理屈ではなく感じていたんだ。
そう、身体で浴びたんだよ。みんなの人生(ライフ!)をさ。
いまボクは、なんの疑いもなくそう思ってる。
少し恥ずかしいくらいだよ。

ボクはBOOKWORMから受けとったぞ。なにかを。
それがなにか。わからない。いま、ここにある熱だけが確かなのだ。
好きなことを語ろう。好きなように話そう。もっともっと。
うん。まだまだ遊べる。もっともっと楽しめる。
だからね、またどこかで集まろう。ゲラゲラ笑おう。
たまに真剣になろう。慎重に、大胆であろう。

よし。乾杯だ。

植田浩平 / PEOPLE

***

山崎円城さんは言っていた。

「14年続いたBOOKWORMというイベントの生前葬。」

嘘だと思った。

だって、4月1日に開催する、というのだから。
(その以前、企画の始めにブックワームをやるよ、と話した時も同じく嘘だと思った。)

決められた日にちと、ぼくらの心の戸惑いは三人分ちゃんと重なって、目的はウロウロした。

それでいて、
あの一日だった。

だからこそ、
あの一日、4月1日に嘘のようなびっくりするような言葉とパフォーマンスがあった。

ぼくらは誰かの言葉が好きなんだ。
それに嘘も本当もない、あると言ったら在る。ないと言ったら無い。
そのあいだに、いろんな探り合いがあるのも、それもまたいい時間。

BOOKWORMの生前葬はこれからも続くそうだ。

ぼくは何度立ち会うのだろうか?

そう思うだけで、どこかの誰かの言葉たちと、もっともっと向き合える気がする。

15年目のはじまり、と。言うのは、嘘のような本当のこと。

toto /Peacenic

***

横浜を出たのは朝の9時。
つくばに着いたのは11時半。
約束の地、千年一日珈琲焙煎所。
あたたかな日差しのなか、24名の言葉と想いと連れ添った時間は4時間超。
初期衝動から大人の色気、愛の告白から渾身のうた。
「初めてBOOKWORMに行ったあの日、ぼくはBOOKWORMに受け容れられた気がしました」
totoくんが言っていた言葉を、この日ぼくも確かに味わった。
机の向こう側に座り見えるのは、座った者しかわからない景色。
ゆえに。
寛容さとおおらかさ、あたたかな視線に赦しを感じた。
互いの存在を赦すような。
生きているということの発露。
自分が描いた言葉を今一度。
“目に見えない「言葉」や「伝えたい想い」を信じること”
信じること。
言葉の向こうに人間が居ます。
人間っていいなあ。
横浜に帰ったのは23時過ぎ。
人生という名の旅を持ち寄った“体験共有”の1日。
ブックワーム。
また逢いましょう。
そして。
マドキさんは青柳さんの詩を読み、
文吾さんは自作の「弔辞」を読みました。
いまぼくは、それを噛み締めています。
一度しか言いません。
OK、ブルース。
ぼくはそれを拾ったよ。
また逢いましょう。
人生を持ち寄って。

峰尾亮平 / MAMEBOOKS

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