2011/12/07

時代が変る瞬間 / Like a rolling stone.




"He was a believer in going forward,
not doing the same show every time"


―ボブは自分のしていることを信じて前に進み、
一度としておなじ内容のコンサートをしなかった。


『ボブ・ディラン写真集 時代が変る瞬間』より



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ディランの若い嗄れた声で歌われる苦い教訓的な反処世術。転がる石のような生き方が決して奨められているわけではないのにROCKで石でディランでストーンズでストーンドなわれわれはあらゆる機会に「ライクアローリングストーン」と呟かざるを得なかった。思えば烈しく若かったし石のように丈夫で頑固だったのだ。打算的にではなく蒼ざめた馬のように生きていこうとするそれは計画性皆無の大空に描いた透明の設計図ほど無謀だった。
―柾木高司 (『団塊パンチ』創刊号より)

なにしろ「Rolling Stone」はある意味ではロックのキーワードのようなものだった。ボブ・ディランに「ライク・ア・ローリング・ストーン」という名曲があるし、イギリスには「ローリング・ストーンズ」という天下無敵のロックバンドがあるぐらいだ。もともと「転がる石には苔ははえない」という「仕事や住居を転々とかえることを戒めるための古い諺」があって、つまりは「苔のはえた石」を良しとする価値観で長く使われていたものだが、ロックはあの時代、価値大転換の時代に、その価値を根本的に逆転させて、常に「変わり続けること」を、つまり「転がっている石」そのものを肯定した。
―北山耕平(『雲のごとくリアルに』より)



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どんな気がするんだい
どんな気がするんだい
自分自身であるというのは
家へ帰る方向もなく
完全に未知なるもののように
転がる石のようであることは


“ライク・ア・ローリングストーン”

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